118.アルバム『真夜中の革命』で得られた達成感と残された課題
118.アルバム『真夜中の革命』で得られた達成感と残された課題
――約11ヶ月の制作期間を経て完成したアルバム『真夜中の革命』。当時の手応えは?
内容的にも充実していたし、すごく達成感がありました。アルバム『HOME TOWN』から抱えていた“次のステップに進む”という目標に辿り着けたと感じてもいました。本当に入魂のアルバムです。ただトータルで聴くと、気になるところがないわけではない。例えば初期のFLYING KIDSの持ち味であるファンク色が薄いことや、僕のパーソナルな部分が強く出てしまっていて、浜崎貴司のソロに近い楽曲がいくつかあること。でも制作現場は「いい曲であればジャンルは問わない」という空気だったことも、売れるものを作ろうとするなら“ファンク”ではない、という暗黙の了解のようなものがあったのも確かです。僕自身、ファンクな曲が書けない時期でもあったし・・。次のアルバムを作る時に、そういったことが問題になってくるんですけどね。
――アルバム『真夜中の革命』と同時発売されたシングルの『僕であるために』のカップリングでアルバム未収録の『21世紀になっても』についても教えてください。96年4月から始まったNHK『サイエンスアイ』のオープニングテーマ曲でした。
NHKの教育テレビの科学番組から声がかかるなんて思ってもいなかったから、みんながすごく喜んで、僕の曲を元におもしろがりながら作った記憶があります。番組サイドからリクエストがあったかどうかはよく憶えていませんけど、タイトルに“21世紀”と入れたのは科学番組を意識したからでしょうね。未来の道具のように思えていた携帯電話やインターネットを日常的に使うようになった一方で、20世紀の終わりを数年後に控えて“世紀末”という言葉が身近になり、1999年7月に人類が滅亡するという“ノストラダムスの大予言”が再び話題になり、2000年に切り替わる瞬間にいろんなシステムが誤作動を起こすという”2000年問題“も取り上げられるようになっていた頃で、21世紀には期待と不安の両方を抱えていた気がします。
この歌詞は、他の曲とは少し書き方が違っています。『風の吹き抜ける場所へ』や『快楽天国』でも似たようなことはちょっとやっていますけど、伝わりやすいように言葉を選んで文章にするのではなく、内容に合いそうな言葉や英単語をランダムに書き出し、それを感覚的に組み合わせて意味があるようなないようなフレーズにしています。この頃はまだそんなにうまくできていませんけど、『REFLEX ACTION』(2023年10月4日)はその最新型でしょうね。当時のマネージャーの大場(規正)さんに「〔21世紀になっても、ラヴ、ラヴ、あげる。〕って、すごいっすね」と言われて、自分でもよく思いっきり歌えたな、と思いました。
モチーフにしたのは、ガングロとかアムラーとかで援助交際とかで当時話題になっていたギャルです。女子大生に代わって女子高生がブイブイ言わせていた時代でした。科学とは関係ないのによくNHKに許されましたよね(苦笑)。結構評判もよくて、NHKの人も喜んでくれいたし、「サイエンスアイ」を観ていた僕の親戚も「あの曲が始まるとワクワクするね」なんて言ってました。テレビ番組のテーマソングとしてはよくできているんじゃないかな。ブルーノートっぽいコードを使っていたり、いいところはたくさんありますが、何よりメンバーがいろんなアイディアを出してくれたアレンジがよくできてますね。それでなおさら曲がよく聴こえるんですよ。

(小学校の卒業アルバムに描いたイラスト。寄せ書きのページを任されて作成。)
インタビュー : 木村由理江

