168. 解散したFLYING KIDSへの秘めた想い
――アルバム『AIと身体のSWING』の発売後、5月8日の札幌を皮切りに「LIVE TOUR 2002初夏 スイングしなけりゃ意味がない! It don’t mean a thing If it isn’t Swing!」(全8公演)がスタート(6月15日には追加公演のスペシャルアコースティックナイト@下北沢440も開催)。そして10月23日にMCU feat.浜崎貴司の『幸せであるように』が発売になっています。これはどんな経緯で?
『オンナLIFE』のレコーディング以降、MCUくんとは頻繁に会ってまして。彼のライフスタイルや交友関係が僕の暮らしにどんどん入ってきて、「人生がまた新しい展開になってきたなー」と感じていたんです。で、ある日、恵比寿で飲んでいたら「今度、ソロでいろんな人とコラボする企画をやるので、第一弾として『幸せであるように』を一緒にやってもらえませんか」と。『オンナLIFE』をやったばかりなのに? という戸惑いと、FLYING KIDSの解散から5年しか経ってないし、自分はまだ30代半ばなのにもう? という驚きはありましたけど、再評価してくれることはとてもありがたいな、と思って。音楽的に距離の近いヒップホップとファンクがセッションしたなんて日本では聞いたことがなかったから、どんな作品になるか楽しみでした。ただ僕の一存では決められませんからね。まずはメンバーを含め各方面に確認を取るところから始めました。
――MCUさんバージョンの『幸せであるように』のレコーディングはいかがでした?
最初にオケを聴いた時は正直、「ここまで変えちゃっていいのかな」と落ち着かない気持ちになりました。でもFLYING KIDSでやった井上陽水さんの『傘がない』のカバーがありますからね(苦笑)。自分の基本姿勢は「自分の殻をどんどん壊して新しいものを作る」でもあるので、「新たに何が見えてくるかを楽しみに飛び込もう」と切り替えました。MCU feat.浜崎貴司の『幸せであるように』を発表することで、解散によって消えかけていた“FLYING KIDSの灯”を守り続けるんだ、という想いもあったと思います。
――もしかして浜崎さんは、復活までの期間、そういう想いでFLYING KIDSの楽曲を歌っていたということなんですか。
そうですね。解散直後、まだ活動再開なんてとても考えられなかった時期に、自分に関する“あるもの”の名前に“F”と“K”を組み込んで、「決して消えないように」と願いめいたものを託した記憶もあって・・。FLYING KIDSの再結成が決まった時に「あの想いがここに繋がったんだ」と思ったりしました。
――なんだかすごくいい話のような・・。
まあまあまあ(笑)。とにかくMCU feat.浜崎貴司の『幸せであるように』は大きかったです。あの曲をきっかけに新たにFLYING KIDSを知る人もいて、過去のものだった楽曲とバンドがリフレッシュされた気がしたというか。それがきっかけで「近いタイミングで浜崎貴司のソロバージョンもリリースしたらいいんじゃないか」という企画も、事務所から出てきましたからね。それがミニアルバム『2002』になるんですよ。事務所サイドは、シングルを作るくらいの予算しか組んでなかったと思いますけど。

(2025年6月、久しぶりに共演したFLYING KIDSとMCU。)
インタビュー : 木村由理江

